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カーペットの歴史は遊牧民や隊商の手でシルクロードを通じて中国、アラビアを経由してアフリカの北海岸、コーカサスから東欧を経てスカンジナビアへ、そしてモロッコからスペインや西欧へと伝えられていきました。一説には三千年前、もしくは五千年前とも言われています。
そもそもカーペットの起源は、人類が狩猟生活を営んできた時代からすでに存在していたとされています。石器時代の北方では寒さと地面からの湿気を防ぐ為に獣の皮を敷物に利用し、南方では、草や木の皮を編んで暑さをしのいだとされています。
狩猟生活から農耕牧畜時代に入ると、衣食両用に適した羊が家畜として飼育されるようになり、その羊の毛を利用してフェルトにした敷物が発達しました。
その後、織物としてもっとも簡単な平織物の厚地の織物ができ、古代バビロニアやエジプトでは織物の技術が進歩して縞模様(しまもよう)やつづれ織の敷物が生産されました。
やがて、フェルトやつづれ織のような平面的な敷物にかわって、暖かさ、感触のよさをいかすパイル系の厚みのある敷物ができました。これが地経糸にひとつひとつパイルを結びつけてつくる椴通(だんつう)です。
日本で初めて用いられたカーペットはフェルト・カーペット、すなわち毛氈。「魏志倭人伝」には239年に魏の明帝が女王卑弥呼に毛氈を贈ったと記されており、「日本書記」には百済の聖明王が“かりかも”と呼ばれる毛氈を献上したという記録が残されています。 また天武10年(681年)には“みだりに毛氈を用いてはならない”という禁止令が出されている。8世紀には下野国(現在の栃木県)で毛氈がつくられていたという記録があり、奈良時代において、すでに毛氈が普及していたようです。
正倉院には西域から渡米してきたと思われる色氈、白氈、花模様など、とりどりの毛氈がある。中国やペルシャの段通が日本に渡米したのは室町時代で、中国との勘合貿易の品目にも「段通」が記されている。日本で最初に段通がつくられたのは元禄年間で、現在の佐賀市扇町でつくられた。 これは韓国から技法を習ってつくられたといわれているが、鍋島藩主はこれを門外不出の秘法として温存したため「鍋島段通」とか「相良段通」といわれています。
天保年間には兵庫県赤穂で「赤穂段通」が、また、大阪の堺で「堺段通」がつくられた。特に堺段通は明治年間には輸出が活発となり、有名になった。カーペット組織による機械生産は大正2年、ヨーロッパから機械が輸入され、大阪住吉地区で始められ、その後、堺地区も含めて機械織絨氈の生産に移り、今日の繁栄の基礎をつくりました。 昭和初期には米国からフックドラッグ製造法が伝わり、また、中国の段通工が神戸や山形に渡米して中国式段通の技法を伝えた。
現状に至る推移 昭和20年代前半における日本の経済は、いわゆる統制経済で、物を自由に買ったり売ったりすることは出来ませんでした。 カーペット産業が活動しはじめたのは、当時アメリカなど進駐軍の需要によるもので、百貨店でもExportBazerといって、外国人専用の売り場でのみ、カーペットやカーテンが売られていました。自由経済の時代になっても、カーペットはまだまだ一般家庭に手の届くものではなく、オフィスビルの役員棟、輸出船タンカーのキャビン内装、ホテル需要や一部の有産階級の新築住宅が室内装飾工事の幕開けとなり、建築設計事務所インテリアデザイナーによる別注カーペットのデザイン開発が行われてきました。
産業の発展動機は、社会的背景によるものが多く、39年の東京オリンピックや、その後の高層ビル、住宅建設ブーム、昭和新宮殿、大阪万国博、ボーリングブームなど様々な要素が大きく影響しています。中でも昭和29年のタフテッド機導入は、一般家庭需要の切口ともなり、また万国博のパビリオン床がコントラクトカーペットの導入を促進させました。 自動車用カーペットの需要増も無視できないもので、家庭用、業務用、運輸用の需要を軸にカーペット産業は成長してきました。
生産の概況 タフテッドの出現は、それまでのウィルトンやアキスミンスターの約30倍の生産量をもたらし、量産量販への方向性は、工場のQCやマーケティングにも考え方の改革が求められました。 平成8年度における国内生産量は、化繊協会のデータによると140,205(千)㎡。品種別の比率は、タフテッド68.5%、ニードルパンチ28.5%、その他3.0%となっています。
今流行しているホットカーペットやタイルカーペット、人工芝生もタフテッドが中心です。たしかにタフテッドが業界のリードとはなっていますが、ウィルトンやアキスミンスターの高級感、デザイン性の魅力も高く、フックドラグのファッション性や美術工芸性、ニードルパンチの経済性・施工性も共に、様々な使用用途によりメリットを発揮しています。
輸入の状況 手織段通が、日本の産業から殆ど姿を消して久しく、中国知毯やペルシャカーペットがこれにとって替っています。8年度における大蔵省の輸入統計では、数量ベースでは①ベルギー②米国③タイ、金額ベースでは①中国②ベルギー③米国となっています。 平織も国内生産が激減し、キリムの様な各国の様々な平織カーペットが輸入されています。
円高や輸入拡大により、輸入カーペットを取扱う業者も増加し、ホテル需要などを中心にロールカーペット、トルコ、パキスタン、イラン、インド等からいわゆるペルシャカーペットが大量に入荷されています。輸入物には原産国表示、品質表示、また消防法にも注意が必要です。
流通の概況 カーペットの供給は、国産品と輸入品によります。輸入品の意外性に対し、国産品はなんといっても安定供給性に安心感があります。生産形態は畳物、ラグ、マットなどピースものと、ロールもの及びロールから加工されるピースもの、タイル状となり、使用向分類は家庭用、業務用、運輸用となります。 家庭用はルートセールス用と量産住宅用に分れ、業務用では、ホテルなど装飾性を重視したものと、オフィス用として耐久性、経済性を強調したものとなります。生産方式は計画生産と別注生産で行われます。
タフテッドは、白生地生産、後染で量産の宿命的デメリットを解決し、ウイルトンは高級感の追求と別注対応として、ジャカードアキスミンスターは、コンピューターの導入により、柄替えの容易性を発揮しています。フックドラグの準手工芸性は別注対応を容易とし、ニードルパンチは、強度、価格、施工性に加え、テクスチャー開発に活路を見出しています。
ピースものカーペットは店頭展示商品や、カタログによる選択がされるのに対し、ロールカーペットは主として見本帳により販売されます。ロールカーペットは、工場や流通センターにおいてストックされ、需要に応じ、巾なりカット、フリーカットの形式で出荷されます。 またジョイントやオーバーロック加工も行われます。タイルカーペットは定量を箱詰めにして出荷されますので、在庫、運搬、搬入などに経済性、容易性が求められます。
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